03.13.01:07
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09.24.22:44
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 29回目
「僕にもこの店に通う仲間がいたけど、今では一人です。それでも通い続けた。でも、もう僕は踊れなくなってしまった」
この時すでに、この二人に全てを話す決心をしていた。僕をこの世界に引きずりこんだ先住民である彼らになら、打ち明けても構わないと思ったからだ。話を聞いて貰えば楽になるかもしれないし、なにか良いアドヴァイスをもらえるかもしれない。何の確信は無くとも、この暗闇で、僕が最初に見出した光明である事だけは確かだ。
「どうして踊れなくなったんだ?」
Richardの言葉をきっかけに、僕はあの日の出来事を、頭の中で整理しながら話し始めた。何しろあの日の事を人に話すのは今日が初めてであり、恐らく今日が最後だろう。彼らに正確に理解してもらう事だけに、僕は心を砕いた。
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この小説はフィクションです。
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この時すでに、この二人に全てを話す決心をしていた。僕をこの世界に引きずりこんだ先住民である彼らになら、打ち明けても構わないと思ったからだ。話を聞いて貰えば楽になるかもしれないし、なにか良いアドヴァイスをもらえるかもしれない。何の確信は無くとも、この暗闇で、僕が最初に見出した光明である事だけは確かだ。
「どうして踊れなくなったんだ?」
Richardの言葉をきっかけに、僕はあの日の出来事を、頭の中で整理しながら話し始めた。何しろあの日の事を人に話すのは今日が初めてであり、恐らく今日が最後だろう。彼らに正確に理解してもらう事だけに、僕は心を砕いた。
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09.23.22:22
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 28回目
「昔は三人で踊ってましたよね。それが今では二人ですよね」
全く答えになっていない僕の言葉に、Richardが眉間にしわを寄せた。何か言いたそうだったが、それより先にMickyが口を開いた。
「そう。もう一人。Jerryって奴がいました」
「そうやってもし自分が最後の一人になったら、それでもこの店に通いますか」
Mickyは少し考えている様子だったが、Richardの返事はにべも無いものだった。
「そんな事一々考えるかよ。その時が来たらその時考えるさ」
考え続けていたMickyの答えもRichardに賛同したものだった。
「俺も同じかな。一人でも行きたければ行くだろうし、そうでもなければやめるだろうし。その時にならないとわかりませんよ」
僕は視線をグラスに落としたあと、彼らに視線をもどすと、頼りない笑顔を作った。
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全く答えになっていない僕の言葉に、Richardが眉間にしわを寄せた。何か言いたそうだったが、それより先にMickyが口を開いた。
「そう。もう一人。Jerryって奴がいました」
「そうやってもし自分が最後の一人になったら、それでもこの店に通いますか」
Mickyは少し考えている様子だったが、Richardの返事はにべも無いものだった。
「そんな事一々考えるかよ。その時が来たらその時考えるさ」
考え続けていたMickyの答えもRichardに賛同したものだった。
「俺も同じかな。一人でも行きたければ行くだろうし、そうでもなければやめるだろうし。その時にならないとわかりませんよ」
僕は視線をグラスに落としたあと、彼らに視線をもどすと、頼りない笑顔を作った。
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09.22.22:21
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 27回目
勢い良くグラスのミネラルを空け、僕は大きな溜息をついた。
何をやっているのだろう-
それが今の正直な感想だった。水1杯程度で酔いが簡単にさめるわけでは無い。でも、何だか冷めた気分だ。
「アンタ、さっき昔踊ってた様な事を言ってたけど、今は踊らないのか」
Richardの言葉にはっとした。勢いとは言え、とんでもない事を口走ったものだ。どうにか誤魔化せないかと思考をめぐらしては見たものの、都合の良い台詞はいつまでたっても浮かんでこない。僕は半ば諦めて、もう一度溜息をついた。
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何をやっているのだろう-
それが今の正直な感想だった。水1杯程度で酔いが簡単にさめるわけでは無い。でも、何だか冷めた気分だ。
「アンタ、さっき昔踊ってた様な事を言ってたけど、今は踊らないのか」
Richardの言葉にはっとした。勢いとは言え、とんでもない事を口走ったものだ。どうにか誤魔化せないかと思考をめぐらしては見たものの、都合の良い台詞はいつまでたっても浮かんでこない。僕は半ば諦めて、もう一度溜息をついた。
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09.21.22:45
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 26回目
「ちょっと、アンタ…」
Richardが僕の言葉を制した。酔いが回った頭では、すっきりと我に返ることは無かったが、それでも僕は口を噤んだ。もしかすると、すこし憮然とした表情になっていたかもしれない。
「少し落ち着けよ」
Richardがなだめる様な声でそう言った。僕は喋り過ぎたせいなのか、酒で焼けているのか分からない喉を潤す為に、再びグラスに手を伸ばした。その手をRichardが慌てたような素振りで止めた。僕の手首を握る彼の握力は尋常ではなかった。酔っているせいか、あまり痛みは感じなかったが、振りほどこうにもびくともしないのだ。僕は諦め、手の力をぬいた。
「あんまり酔いすぎると追い出されるぜ」
そう言うと、Richardは自分のグラスに僕の酒を移し、かわりにミネラルとロックで僕のグラスを満たした。酔いで回らない頭でも、僕は少し彼を見直していた。案外、良い奴かもしれない……と。
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09.20.22:04
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 25回目
彼らはステージが終わってしばらくしてから、席に戻ってきた。僕は焦点の合わない目で彼らを出迎え、とたんに僕の意思とは無関係に近い状態で、言葉が口から飛び出していた。
「Lover Shakersの方…だったんですねぇ。昔あなた達を…見ながらダンスを覚えた…もんですよぉ。いやぁ。ぜんぜん衰えて…ないですねぇ」
急に饒舌になった僕に、Richardは面食らったようだったが、僕の口は止まらなかった。
「他の人とはぜんぜん違うんですよねぇ。いいよなぁ」
その後も、僕はほとんど夢中になって、彼らを褒めちぎっていた。自分でも何故そんな事を口走っているのかは分からない。酔った勢いだけでは済まされない何かが、僕を突き動かしていた。後になって思えば、やはり彼らが羨ましかっただけなのかもしれない。
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「Lover Shakersの方…だったんですねぇ。昔あなた達を…見ながらダンスを覚えた…もんですよぉ。いやぁ。ぜんぜん衰えて…ないですねぇ」
急に饒舌になった僕に、Richardは面食らったようだったが、僕の口は止まらなかった。
「他の人とはぜんぜん違うんですよねぇ。いいよなぁ」
その後も、僕はほとんど夢中になって、彼らを褒めちぎっていた。自分でも何故そんな事を口走っているのかは分からない。酔った勢いだけでは済まされない何かが、僕を突き動かしていた。後になって思えば、やはり彼らが羨ましかっただけなのかもしれない。
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