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  • 05/15/16:41

11.05.23:22

小説 ~Lover Shakers~ autumn season Vol.1 その22

 今日4回目、そしてRichardにとってはラストチャンスとなるステージは、ロイ・オービソンの”プリティ・ウーマン”から始まった。1990年公開の、リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ主演の同名映画で有名な曲だ。直美達も同じ理由で知っているらしく、「聴いた事ある」だとか、「あの映画の曲だよね」などと言って盛り上がっている。そんな彼女達に送り出されながら、僕達三人は、ステージへと飛び出した。
 日付変更線を目の前にしたフロアは、程良く空いている。僕達三人の他は、おなじみマジックトーンズの4人と、あとは酔っ払いダンサーが2、3人だけだ。
 Richardは最後の見せ場とばかりに、マジックトーンズのみならず、僕とMickyとまで張り合うように、ステップを踏んでいる。僕とMickyは、そんなRichardを引き立てるように、少し後ろに陣取ってステップを踏んだ。
 ”プリティ・ウーマン”に続いては、ジョニー・シンバルの”ミスター・ベースマン”、ジーン・ピットニーの”ルイジアナ・ママ”、ニール・セダカの”素敵な16才”と、定番とも言えるポップス・ナンバーのオンパレードのうちに、前半が終了した。
 いつもなら、僕達にとってインターバルであるスローナンバーの時間だが、今日、いやこのステージばかりは、これからが本番だった。
 席へと戻る間、さすがのRichardも緊張気味だ。
「いけそうか」
 Mickyが、囁くような声で、それでいて力強く問いかけた。
「あぁ。もちろん」
 Richardはまるでリングへ向かうボクサーのように、強張った表情のままに、力強く返した。
「そう。大丈夫だ」
 僕も、セコンドのように、Richardの後押しをした。


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*この小説はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものです。
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