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  • 03/10/19:25

11.01.23:39

小説 ~Lover Shakers~ autumn season Vol.1 その21

 Mickyの言葉に、俄然勇気の湧いたRichardは、今まで以上にパワフルだった。会話も由美子だけではなく、全員を巻き込み、まさにリトル・リチャードの”キープ・ア・ノッキン”や”ジェニ・ジェニ”を聞いているようなハイテンポ、ハイペースで喋り続けている。まさに息継ぎなしといった感じだ。
 ただ、電車の関係で彼女たちは次のステージを最後に、帰らなくてはならない。僕達も、そろいもそろってアルコールが入っている為、送るわけにもいかないからだ。
 つまり、Richardにはもう時間が無い。チークに誘うチャンスは一度しかなく、もしあの戯言が真実であれば、告白するチャンスは、その時をおいて他には無い。まさか、全員の前で告白するわけにもいかないし、ステージ終了後では、告白の為に割けるほどの時間的余裕が無い為だ。
 恐らく、今こうして喋っている間にも、Richardの頭の中では、その事で一杯の筈だ。その証拠に、時々話が支離滅裂になっている時がある。先入観無い、またはRichardの事を余り知らない人が見れば、ただ単に酔いが回ってきたのだろうと、感じるだろう。だが、Richardがこれしきのアルコールで参る訳が無い。明らかに、話に集中していないのだ。
 僕とMickyは、今こそ手助けが必要な時とばかりに、そんなRichardの話に、援護射撃を送りつつ、ステージの到来をいまや遅しと待っていた。



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*この小説はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものです。
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