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  • 05/15/23:10

10.29.23:11

小説 ~Lover Shakers~ autumn season Vol.1 その20

 ステージが終わり、席に戻った僕は、当然のごとく皆の冷やかしの的となった。その矛先は、当然直美にも向けられたが、まんざらでもなさそでいて、どこかはぐらかした感じで受け答えしている。僕はと言うと、すっかり舞い上がってしまって、正直何を話していたのかおぼえていない。酒とタバコの量が、倍増したせいもあるだろうが。

 三回目のステージが終了しても、いまだRichardは由美子をチークに誘っていない。はたから見ている分には、Richardはもちろんの事、由美子も終始笑顔で、それほど雰囲気は悪いとはいえないし、いつものRichardなら、一度断られたとしても何度でも挑戦するぐらいの、押しの強さを発揮しているはずだ。自分が誘ってみて良い結果が出た事もあって、その疑問は膨らむ一方だった。
 ちょうどトイレに行くタイミングが一緒になったこともあって、僕はその疑問を、Richardにぶつけてみる事にした。
「何か、変だ」
 僕が疑問を口にする前に、Richardがそんな事を言い出した。
「何かって、何が?」
「いや……。何て言うか、隙が無いと言うか……」
「別に、見た目には、いつも通りだと思うけど……」
「いや。やっぱり変なんだ。何がどうと聞かれても分からないけど」
 そこへ、Mickyもやってきた。どうやら、僕達の会話を少し前から聞いていたらしく、Mickyはこんな事を口にした。
「いつもと違うというのは、ある意味いい傾向かもよ。今までこれで良いと思ってて振られてきたんだから」
 さすが彼女持ちは言う事が違う。僕は素直にそう感じて、心の中で喝采を送った。Richardの表情もいくらか、明るさが戻ったようだ。
「そうかな。実は、いけてるって事?」
「まあ、あくまでそういう考え方も出来るって言う話だけど。それほど由美子の事、知ってるわけじゃないし」
 余りに現金なRichardに、Mickyは予防線を張るように、言い訳がましい口調になった。だが、急に楽観的になったRichardの耳には、届いていないらしい。
「俺、今日告白しようかな……」
 そんな、とんでもない事まで口走っている。ここまで高低差が激しいと、驚いたり、呆れたりするより先に、笑えて来る。ただ、次に出た言葉には、少々ムカッとした。
「Jerryでさえ、上手く行ったんだし」
 

 



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*この小説はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものです。
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