03.10.19:23
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08.26.23:10
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 7回目
目の前にダンスフロアが、いや、正確には、そこで踊る人達の背中がぐんぐん近づいてくる。Richardに引き摺り下ろされた当初は心の奥底で、再びダンスフロアに何事も無く立てるかもしれないという、甘い期待を抱いていたが、すぐにそれが大きな間違いであると気付いた。
ダンスフロアに一歩近づくたびに、僕の鼓動は加速度的に早まり、心なしか音まで大きくなっているような気さえする。膝はもはや僕の意思を離れ、彼が背中を押していなければ、その場に崩れ落ちそうなほどか弱い。
「まって、ちょっとまって」
僕は力なくそう叫ぶのだが、Richardは全く意に介さずと言った感じで、ぐんぐん押してくる。
「いいから、いいから」
なんて奴だ。僕が心の中で悪態をついた時には、すでにフロアに足を踏み入れていた。隣では能天気にRichardが踊っている。その姿が時折溶けた飴細工のようにぐにゃりと曲がって見える。僕は絶望とはこう言うものなんだろうなと、まるで他人事のように考えていた。
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この物語はフィクションです。
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ダンスフロアに一歩近づくたびに、僕の鼓動は加速度的に早まり、心なしか音まで大きくなっているような気さえする。膝はもはや僕の意思を離れ、彼が背中を押していなければ、その場に崩れ落ちそうなほどか弱い。
「まって、ちょっとまって」
僕は力なくそう叫ぶのだが、Richardは全く意に介さずと言った感じで、ぐんぐん押してくる。
「いいから、いいから」
なんて奴だ。僕が心の中で悪態をついた時には、すでにフロアに足を踏み入れていた。隣では能天気にRichardが踊っている。その姿が時折溶けた飴細工のようにぐにゃりと曲がって見える。僕は絶望とはこう言うものなんだろうなと、まるで他人事のように考えていた。
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