03.10.20:25
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08.25.22:58
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 6回目
本日3回目のステージは、ジャンニ・モランディの♪サンライト・ツイスト♪。サックスの小気味良いメロディではじまる、ツイストナンバーだ。
Richardは勢い良く椅子から滑り降りると、怪訝そうに僕を見た。
「行かないのか?」
彼の声は、聞き取れるか聞き取れないかと言うほどの大きさだったので、ぼくは聞こえない振りをして、ステージの方を向いていた。
「踊らないのかぁっ」
今度の声は馬鹿でかかく、思わず僕は目を剥いて彼を見た。おそらく僕の体は、驚きのあまり、椅子から10センチは浮いていたはずだ。とても聞こえない振りは出来ない。
「いえ…」
やや気圧された僕は、消え入りそうな声でそう答え、あわせて首を横に振った。
「馬鹿言うな」
Richardはそう言うが早いか、僕の腕を掴むと、椅子からほとんど引き摺り下ろし、よろける僕の背中を押して、ダンスフロアへと押しやった。
「ここへ来て、踊らない奴があるか」
僕の背後で、Richardが叫ぶ。
じゃあ、聞くなよっ―
僕は思わず、心の中で突っ込んでいた。
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この物語はフィクションです。
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