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  • 05/14/15:57

05.16.21:55

小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.1その9

 ヒロとべーやんが、メニューらしき紙切れに夢中になっている間、僕はもう一度店内を見回していた。壁には間接照明に照らされた、往年のスター達(?)らしきモノクロのポスターが額に収まって散りばめられている。確かに店の雰囲気としては落ち着いていて、僕好みかもしれない。BGMも耳に心地よく、薄汚れた現実世界から遠ざかり、どこか別世界にやって来たかのような錯覚を覚える。
 ただし、客層は別だった。
 予想通りの、オジサン・オバサンの、欲の皮の突っ張った脂ぎった顔。祝日と言うのに仕事帰りなのか、オジサンに連れられた、スーツ姿の若者の作り笑顔。刹那的な快楽を追求することしか念頭に無い、厚化粧で年齢不肖な女達。ここから見える限りでは、僕の想像の中のイメージとさして変わらない。どれもこれも、つまらない日常を見せ付けられているようで、せっかくの雰囲気を貶める役にしか立っていない。薄暗く良く見えないのが、せめてもの救いだ。
 総合すると、僕はこの店が好きでも嫌いでもない。そう言う事になる。この時の僕には、この先、この店に通いつめる事になるとは、想像すらできなかったのだった。

 店のルールである一人1フード(料理1品)を適当に注文し、それらが全て揃ったころ、僕達の前面にあり、周囲の暗さと相まって、一際光り輝くステージに、一人、また一人と、バンドのメンバーが現れてきた。メンバーは揃いの襟の大きな黒いシャツ(こういうシャツを開襟シャツと言うことを僕が知ったのはずいぶん後のことだ)の上に赤いジャケット、黒のスラックスを着て、頭はあの喫茶店で見たようなリーゼントをしている。
 音合わせの軽い音が、ギターやドラムセットからもれる。これからどんな音楽が演奏されるのかさえ知らない僕だが、こうして生の音を聞くと、少し鼓動が高鳴る。
 何かが起こりそうな予感―
 どんな音楽にも、そんな気持ちにさせる力が宿っているのかもしれない。

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んちゃ!

     前回は 素敵な返信 有難う御座います

     心して読みました

     Jerryサンに負けないくらいの コメント がんばりまっす!

     *返信の返信

     >描写は重要課題

     頭の中では すごくリアルに 想像できているのに

     文章にするとなると・・・???

     てな感じです 小説を書く人はやっぱりすごいなあ

     >常連だけに許された近寄りがたい場所と言うのが、バーカウンターのイメージ。

     「そう そう そう」

     初めて一人で ケントスに行った時(これも場所は不明・・・ミナミかも)

     >初めて座るカウンター席からの眺めの新鮮さと、高みからものを見ることからくる一種の優越感を感じた事を覚えて      います

     そのとおり!

     で

     隣のおじサンに「今日は一人なんですか」って

     僕「えっ」って

     おじサン「いつも楽しそうに踊って はしゃいでるんで・・・」

     僕「ご迷惑かけています」

     おじサン「いえいえ」 

     僕「いっつもカウンターですか」「僕 今日始めてカウンター座るんです」

     おじサン「たいがい一人なもんで・・・」「カウンターもいいもんですよ」

     あとは いろいろと世間話やら 「若いのにオールディーズ好きなんですね」

     などの 話をしたのを思い出しました

     さて その9 読みましたよ

     さっそく本日の一番

     まず >モノクロのポスターが額に収まって散りばめられている。

     うまい! これが描写! 僕には真似できん・・・

     そして >薄汚れた現実世界から遠ざかり、どこか別世界にやって来たかのような錯覚を覚える

     まさに 「夢空間」 ですね
 
     >こうして生の音を聞くと、少し鼓動が高鳴る

     ドキドキドキ
    
     前の小説にもありましたけど

     「一曲目 なんやろなぁ」 今でもメンバー同士で 行きの電車の中から

     そんな話をしてますよ

     僕の入店直後の感想も 同じようなもんで

     きょろきょろ と 周りを見渡し

     「ふ~ん」「へ~」 と 意味もなく 何に納得をしているのか

     二十歳そこそこの若造が 来ていいのかなぁ

     な~んか 場違いのような・・・

     そんなことを思ってました

     連れてきてくれた女性が「この店はねぇ~・・・」

     などと 得意気に説明するものの

     あまりピンともカンとも きませんでした 


     最後に本日の極めつけ >何かが起こりそうな予感―

     待ってました この言葉

     大共感♪ 

     この言葉を小説で読んだ瞬間・・・

     いろんな記憶が よみがえってきそうです

     次回は ファーストステージですね

     頑張れ 僕の記憶力!(笑)

     その10 楽しみにしています (うちの姫も 楽しんで読んでますよ♪)

     それでは 「shin」でした




     
   
     


      

     





     
      

     

     








      

  • 2008年05月16日金
  • shin
  • 編集

おいっすぅ!

こんばんは。

年齢を感じさせる挨拶を頂いたので、こちらも…。

>Jerryサンに負けないくらいの コメント がんばりまっす!

いえいえ。

いつも十分すぎるほどのコメントを頂いてますヨ。

>小説を書く人はやっぱりすごいなあ

 いえいえ。

 ただ、携帯小説のようなものにはしたくないので…。

> 隣のおじサンに「今日は一人なんですか」って

 そうですね。

 一人で行くと、そう言う出会いも楽しいものですよね。

 僕も若かりし頃、そういう出会いをいくつか体験しました。

 一期一会。

 大切にしたいですね。

>さっそく本日の一番 

 そんなに褒められるほどのものではありません。

>まさに 「夢空間」 ですね

 確か、以前にShinさんと、そんなやりとりをしたように覚えています。

 おそらく僕達だけでなく、ケントスに通う方々が大なり小なり感じている事と思い、書きました。

>ドキドキドキ

 恐らくこれが、後に続く”何か起こりそうな予感”なのだと思います。

 表面上は同じことの繰り返し。

 店に来て、話をして、ステージが始まれば踊る。

 ステージが終われば、次のステージまでの時間を、また思い思いに過ごす。

 でも、本人にしてみれば、一夜一夜、もっと言えば、ステージ毎に、常に微妙な違いがある。

 それが、”何か”なんだと思います。

>僕の入店直後の感想も 同じようなもんで きょろきょろ と 周りを見渡し

 僕もその口です。

 店全体の景色も楽しみの一つ。特に初めてなら。一見雑然と並べられたポスターたちも、絶妙のバランスで並べられているんだと思います。

>二十歳そこそこの若造が 来ていいのかなぁ な~んか 場違いのような・・・

 そこまで感じましたか(笑)

 でも、若いときに行っていた店とは、どこか違った空気だった事は、何となく覚えています。

>次回は ファーストステージですね 頑張れ 僕の記憶力!(笑)その10 楽しみにしています (うちの姫も 楽しんで読んでますよ♪)

 はい。

 がんばれ、僕の想像力!(笑)

 では、また。

 




 
 

  • 2008年05月17日土
  • Jerry
  • 編集

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