03.10.17:03
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10.06.23:06
小説 ~Lover Shakers~ autumn season Vol.1 その15
ダンスフロアでは、ダンスにかこつけて抱き合った余韻を楽しみつつ、次に演奏されるスローナンバーを、心待ちにしているカップルたちが、体を寄せ合っている。路上では恥知らずと罵られそうなそんな光景も、この場所では、不思議な魔法によって、ありふれた光景へと転化される。
正直に言えば、今の僕はあのカップルたちを羨ましく思っている。どんなに気持ちを押し隠しても、どんなに自分の心を誤魔化そうとしても、直美とあの場に立っていたいという気持ちは、どうにもならないらしい。今の僕の思考は、いかにして直美を誘おうかと言う事に終始している。その成否の行方も然りだ。 夜毎ドラマティックな事が起こるわけではないこの店だが、今日ばかりは例外のようだ。
今日は、Richardの恋を応援するつもりだったが、自分の昔の恋にまで飛び火して再燃する羽目になろうとは、思っても見なかった展開だ。もっとも、Richard自身も、僕達の追い風を期待していたわけではなく、頭数合わせの為だけに同席させただけのようなので、それほど罪悪感は無い。
とりあえず、僕は恐らく恋であろうこの状況に、集中する事に決めた。
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*この小説はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものです。
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正直に言えば、今の僕はあのカップルたちを羨ましく思っている。どんなに気持ちを押し隠しても、どんなに自分の心を誤魔化そうとしても、直美とあの場に立っていたいという気持ちは、どうにもならないらしい。今の僕の思考は、いかにして直美を誘おうかと言う事に終始している。その成否の行方も然りだ。 夜毎ドラマティックな事が起こるわけではないこの店だが、今日ばかりは例外のようだ。
今日は、Richardの恋を応援するつもりだったが、自分の昔の恋にまで飛び火して再燃する羽目になろうとは、思っても見なかった展開だ。もっとも、Richard自身も、僕達の追い風を期待していたわけではなく、頭数合わせの為だけに同席させただけのようなので、それほど罪悪感は無い。
とりあえず、僕は恐らく恋であろうこの状況に、集中する事に決めた。
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