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  • 05/16/02:46

09.26.23:53

小説 ~Lover Shakers~ autumn season Vol.1 その12

 この曲では間奏の間、ツイストになる。ツイストを踊り、通常のステップへと移ったときに、ふと視線をめぐらせると、両隣にはいつの間にかMickyとRichardの姿があった。Mickyはやはり少し照れ臭そうに、Richardは由美子の視線を意識してか、いつもより熱をこめて踊っている。真意は分からないが、結局二人も踊らずには居られなかったのだと、勝手に解釈した。そして、やはりと言うべきか、その周辺に直美たち三人の姿は無かった。
 僕はダイアナに来て踊らない人たちを、馬鹿にしたり、軽蔑する気は無いが、ただ音楽に耳を傾けるだけの人たちは、人生において一つの楽しみを放棄しているように思えてならない。それは釣りに来ているのに、竿を出さないようなものだ。踊りは何処の世界にも存在する。それは踊ると言う行為が、人間にとって必要不可欠なものだからだと思う。ストレスの発散、自分という存在の一つの表現方法、感情の発露。いろいろ踊る理由はあると思う。だが、それが楽しいと言う事に変わりは無い。羞恥心という枷を脱ぎ捨て、踊りだした者だけが、その素晴らしさを知るのだ。

 二曲目は、”ダイナマイト”。ブレンダ・リーのどすの利いた歌声が印象的なナンバーで、特に間奏で踊る、単体のステップでは恐らくダイアナ一の難易度を誇るステップを踏む時の、何とも言えない優越感が好きなナンバーだ。続いてはスインギング・ブルージーンズの”ヒッピー・ヒッピー・シェイク”、そしてやや季節はずれな気もするが、南国ムード満点なアネットの”パイナップル・プリンセス”と続き、僕達は満足しながら、そして例外にもれず顔中に汗を光らせながら、席へと戻った。
 その背後では、すでにスローナンバーが流れ始めている。曲はプロコル・ハルムの”青い影”。オルガン奏でる、胸の深いところに響くメロディが哀愁を誘う。 
 Richardは由美子を誘うのだろうか。僕はそんな事を考えながら、前を行くRichardの背中を見つめていた。誘うのであれば、どうか上手く行きますように。そう願いながら。

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*この小説はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものです。
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