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  • 05/14/08:44

12.31.12:00

小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 78回目 


 僕は路上に立ち尽くしたまま、訥々とこれまでの事を語った。
 誹謗嘲笑によって、踊れなくなってしまった事。
 それでも、ダイアナに通い続けた事。
 偶然知り合ったLover Shakersの二人と話すうちに、その真の原因が3人が僕から離れていってしまった事であり、それを僕が恨んでいると言う事実に気が付いた事。
 3人はただ無言のまま、何の邪魔もせずに、黙って僕の話を聞いてくれた。雑踏のど真ん中で、はた迷惑になる事を承知していながらも、そうしてくれた。僕はそれだけで、もう十分泣けそうになっていた。
 如何なる結果をも受け入れる覚悟で、目を逸らさずに3人を見ていたが、彼らの目には相変わらず、蔑視も憐憫も、憎悪さえも浮かんでこない。愛想を尽かしたといった感情もまた皆無だった。
「それがどうした」
 そう言い放つ谷川の顔は真剣そのものだった。だが、僕は不思議と責められているようには感じない。僕はどうにも彼の真意を測りかねて、彼の双眸を覗き込んでいた。
「生真面目なお前らしいな。物事の理由を突き詰めて、答えを出さなきゃ気が済まない。その答えが間違っていても、導き出した答えがそれしかないと、無理矢理にでもそう信じてしまう。だってそうだろ?本当にお前が俺達を恨んでたんならここには来ないだろうし、そんな事を話す必要なんて無い」
 谷川の顔は話すうちに次第に和らいでゆく。彼の言葉に河合も言葉を繋ぐ。
「そうそう。人間弱気になれば、悪い方に考えが行くんだぜ」
「まあ、お前が踊れないってのは残念だけどな」
 最後に、三好がおどけた調子で締めた。
 鼻の奥に否応無く刺激が襲い、目頭が熱くなる。僕はほとんど言葉にならない「ありがとう」をただ繰返すしかなかった。

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この小説はフィクションです。

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