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  • 05/15/14:33

12.29.23:56

小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 75回目 

 それから数分も経たないうちに、谷川と三好も到着し、誰もが異口同音に僕の体調を心配している。だが、その優しい言葉とは対照的に、僕の中では彼らを裏切り者として憎悪の対象としていた事実が重く圧し掛かり、精神に亀裂が走り、胸は僅かに生存が許される程度にまで圧迫され、早くもダイアナを目指す3人に付いて行くのに足が縺れそうになり、視界がぼやけ、かつ狭まり、耳に入る話し声や周囲の物音はごちゃ混ぜでもはや雑音でしかない。
 それほど距離が離れている訳でもないのに、三人の後姿がやけに遠く感じられ、またもや一人取り残されるのでは無いかと言う不安がさらに追い討ちをかける。本当に3人が遠退いているのか、それとも僕の視界、いや意識が薄れ、そう見えているだけなのか。考えてみたところで分かるはずも無いが、それ以上に僕の思考は、『もう一人になりたくない』という一点に凝縮され、意志の力が働くより前に、本能の力が「待ってくれ」と叫ばせていた。
 自分の声の大きさに、自分自身が衝撃を受け、その為に意識や視界と言ったものが一気に本来の力を取り戻すと、あれほど遠くに見えた3人はほとんど目と鼻の先にあり、一様に見開いた目で僕を見ていたが、蔑視でも憐憫でもない、しっかりとした温度のこもった目に変わっていった。
「なんだよ。やっぱり具合悪いのか?」

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この小説はフィクションです。

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