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  • 05/15/20:09

12.28.23:19

小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 74回目 

 周囲のいたる所から、僕に対する明らかに蔑視と取れる視線を無数に感じる。ダイアナの店内ならともかく、こんな無関係な場所でそんな視線を受ける謂れは無いはずだが、それでも僕の心の中では、不安と言う名の風船が激しい勢いでもって膨張を始め、それは的確に僕の肺を圧迫しているかのような息苦しさを覚え、自分の首を締めることになりかねないにもかかわらず、自らの粗探しと分かっていながらも、蔑まれる理由をあれこれと探し回らずにはいられず、顔面はまるで暖房の効きすぎた部屋にいるかのように火照っていたかと思うと、背筋に冷たいものを感じて見る見る青ざめていった。
 大声で名前を呼ばれ、脅えた目であることは承知しつつもどうすることも出来ず、声の主を求めて首を、次いで体ごと動かした。
「どうしたんだ?さっきから呼んでたんだぜ?」
 声の主は最後にダイアナを離れた河合。怪訝な顔で僕の顔と言うよりも目を覗き込んでいる。
「大丈夫か?顔色悪いぞ?」
 僕は大丈夫だと答えて、精一杯の笑みを見せたつもりだったが、はたしてそれが笑顔と呼べるものであったかどうかは自分にさえ分からなかった。もはや営業スマイルさえ使いこなせない現状に、僕は内心愕然としていた。河合は「ホントかよ」と半信半疑なまま、「祝いの夜だからって、あんまり無理するなよ」と付け加えた。

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