03.10.16:27
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12.26.22:36
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 73回目
週末はあっという間にやってきてしまった。昨夜の谷川からの電話によると、当時ダイアナに通っていた他の二人も、谷川の帰郷を聞いて駆けつけるそうだ。
Lover Shakersの二人に「二度と来ない」と言い放ちながら、翌週にはもう顔を出すと言う恥知らずな行為に嫌気がさし、何度か谷川に電話をしようとダイヤルしかけたものの、結局は通話ボタンを押すところまではたどり着けず、谷川が指定した待ち合わせ場所である駅前に立っている僕は、なぜか異様なまでに周囲の目を気にしていた。
心のわだかまりはそれだけでは無い。
彼らの知るところでは無いとは言え、親友3人に対して僕が憎悪を覚えていたと言う認識は、僕の脳裏に深々と刻み付けられている。その3人と、自分の心を押し隠したまま、良心の呵責に押し潰されそうになりながら、それでもなお以前と同じように笑顔で同じ時を過ごせるのだろうか。
それでも、そんな残酷な事実を3人に伝え、許しを請える程、僕の心は強靭に出来ていない。その証拠に、谷川の帰郷が、僕がその事実に気付く前だったならどれほど良かった事かと、詮無い思考が頭を駆け巡り、そう仕向けたであろう信じてもいない神や、運命といったものに対して悪態をつくのが精一杯と言う体たらくだった。
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この小説はフィクションです。
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Lover Shakersの二人に「二度と来ない」と言い放ちながら、翌週にはもう顔を出すと言う恥知らずな行為に嫌気がさし、何度か谷川に電話をしようとダイヤルしかけたものの、結局は通話ボタンを押すところまではたどり着けず、谷川が指定した待ち合わせ場所である駅前に立っている僕は、なぜか異様なまでに周囲の目を気にしていた。
心のわだかまりはそれだけでは無い。
彼らの知るところでは無いとは言え、親友3人に対して僕が憎悪を覚えていたと言う認識は、僕の脳裏に深々と刻み付けられている。その3人と、自分の心を押し隠したまま、良心の呵責に押し潰されそうになりながら、それでもなお以前と同じように笑顔で同じ時を過ごせるのだろうか。
それでも、そんな残酷な事実を3人に伝え、許しを請える程、僕の心は強靭に出来ていない。その証拠に、谷川の帰郷が、僕がその事実に気付く前だったならどれほど良かった事かと、詮無い思考が頭を駆け巡り、そう仕向けたであろう信じてもいない神や、運命といったものに対して悪態をつくのが精一杯と言う体たらくだった。
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