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  • 03/10/17:08

09.02.22:56

小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 14回目

 隣の二人の存在など無いかのように、僕は機械的に注文をウェイターに伝え、続いてタバコを取り出す。軽やかで涼しげな音を楽しみつつ、ジッポーのフタを開け火をつける。遠くに視線を固定しながら、僕は大きく煙を吐き出した。落ち着き無く今度は腕時計に目をやる。時間はほぼ9時。次のステージまで30分はある。ついてない。僕にとって苦悩の30分になりそうだ。
 そんな事を考えていると、僕の意表をついた言葉が耳に届いた。だがそれは、Richardの声では無かった。
「どうも、すみませんでした」
 僕が顔を向けると、Richardの隣の男性、黒い開襟シャツの男が席を立って頭を下げていた。戸惑いを隠せない僕に、男はなおも続けた。
「Richardも悪気が有った訳では無いんです。ただ、気晴らしになればと思ってやった事なんで、勘弁してやってください」
 Richardの連れだから、とんでもない男と思っていたが、どうやら違ったようだ。僕も席を立ち、軽く頭を下げた。
「いえ。もう気にしてませんから。それに僕の態度も悪かったところもあるし…」
「ほら。Richardも謝れよ」
 男に促されて、Richardが頭を下げる。
「悪かったな」
 その顔は神妙とも取れるが、どこかふて腐れているようにも見える。

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この物語はフィクションです。
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