03.10.16:50
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10.05.22:01
小説~Lover Shakers~Outside Storys Vol.2 36回目
どんなに楽観的に考えようとしても、喉に刺さった小骨のような不安は、僕の頭から離れようとはしない。表面的には、ダンスを馬鹿にするあの若者グループにその楽しさを見せつけようという気概を持ってはいるのだが、実際には、僕の動きは萎縮する一方だった。常にトキメキを感じていたダンスフロアは、いまや針の筵と化していた。
僕の後ろで笑い声が湧き上がる。丁度、あの若者グループの席辺りだ。振り返る勇気はとても無かったが、脳裏に僕を指差して笑いあう男女の姿が鮮明に映し出された。
とたんに、あのトイレのときと同じように膝までもが、笑い出している。僕のステップはさらにぎこちなさを増した。
誰かのウィスパーボイス―
きっと僕を馬鹿にしているに違いない。
一度転がりだしたら、もう止まらなかった。僕のガラス細工のように繊細な自信は、やがて壊れる時が来る事が決められているシャボン玉のように、跡形も無く消えてしまった。
正直、その後僕がどうやってダイアナを離れたのか分からない。気が付いた時には、駅のホームの端で呆然と立ち尽くしていた。
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この小説はフィクションです。
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僕の後ろで笑い声が湧き上がる。丁度、あの若者グループの席辺りだ。振り返る勇気はとても無かったが、脳裏に僕を指差して笑いあう男女の姿が鮮明に映し出された。
とたんに、あのトイレのときと同じように膝までもが、笑い出している。僕のステップはさらにぎこちなさを増した。
誰かのウィスパーボイス―
きっと僕を馬鹿にしているに違いない。
一度転がりだしたら、もう止まらなかった。僕のガラス細工のように繊細な自信は、やがて壊れる時が来る事が決められているシャボン玉のように、跡形も無く消えてしまった。
正直、その後僕がどうやってダイアナを離れたのか分からない。気が付いた時には、駅のホームの端で呆然と立ち尽くしていた。
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